こんなタイトルだと、詳細な店内レポートのようなもの、あるいは何か買ったのか?と想像される向きもあるかと思いますが、実情は全然違います。
ジョンロブ丸の内。滞在時間…5分。
— レザーソール (@_leathersole) 2017年3月15日
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平日の12時ごろに着きました。
オープンは11時ですので開店から1時間くらいたっています。
ドアのガラス越しに中をチラリと覗くと、お客様が2人ほどいるのが見えました。店員さんと話をしている様子です。
ジョンロブというと、この記事が有名ですね。靴好きな人は一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
(※注 この記事、今は削除されているみたいです)
【悲劇】高級な靴を買いに行ったが店員に売ってもらえなかった話 John Lobb ジョンロブ
これはたぶん丸の内店の話ですよね?ここに出てくる店員さんというのは店長のこと…なのでしょうか?
とにかくそういう話を聞いているわけですから、お店に入るのは多大な勇気を必要とするわけです。
一度目は決心がつかず素通りしました。
先で折り返して2度目のアタック。
ここで勇を鼓舞してドアをグイと開けました。
その瞬間、店員さんとお客様の視線がぼくに突き刺さるのが分かりました。まさに突き刺さる感触。
『オメー、何の用だ?せっかくの我々の心地よい空間を邪魔するんじゃねーよ』と言われているように感じました。
お客様は50代くらいと思しきこぎれいなご夫婦で、イスに腰かけています。会話の様子から常連さんだと分かりました。
そして店員さんというのは店長でした。雑誌で見たことがありますからお顔は分かります。まぎれもないあの有名な店長です。
丸の内店店長 国本によるジョンロブ流シューケアがOpenersで紹介されました。http://t.co/wIAbd3Vv
— ジョンロブ丸の内店 (@JohnLobbJapan) 2011年10月3日
言うまでもないことですが、靴屋の店員さんは間違いなく、真っ先にお客様の靴を見ます。
ぼくは自分のちゃちな靴を見られないように足早に右の奥に行きました。そこは壁で隔てられているので彼らからは死角になっています。ここでぼくは呼吸を整えました。
少し落ち着いてからまわりを見渡すとたしかにジョンロブばかりです。当たり前ですが。
できることなら写真を撮りたかったのですが、そんなことをしたらコロされそうなので、とりあえずその空間に浸ることにしました。
となりの部屋からは『ウィリアムがね』とか『これで5¹/₂なの?』とか『ソールがあーだこーだ』という声が聞こえてきます。うーん、ブルジョワジー。
ぼくはその声を聞きながら息をひそめてすばらしい靴の数々を見ていました。
意外にもスニーカーやスエードの靴が多い。
ベルトや財布までありました。
手に取って見たいところですが、それすらできません。
少しゆったりした気持ちで見ていたら、突然、店長が壁からニュッと顔を突き出しました。ビックリしたのなんの。
すぐにお引っ込みになられたのですが、あれはあきらかに『オメー、なんか悪いことしようとしてんじゃねーだろうな』というお声かけ?でしょう。もっともお店の人間としては当然の行動ですが。
全部で5分?いや3分ばかり滞在したでしょうか?そろそろカラータイマーが点滅してきました。離脱の時間です。
帰るときはまた彼らの前を通らなくてはなりません。
飛び込み台からダイブするようなつもりでぼくはそちらの部屋へ歩を進めました。
再び、店長の視線を浴びました。
一瞬、目が合ったような気がします。
ぼくは心の中で、『ダイジョウブ!何も悪いことしてないから許してチョンマゲ!』と、何を許すのか分かりませんが、とにかくそう念じながら前を通り抜けました。
出るときに店長が「ありがとうございました」と声をかけてくれました。あら、意外。それでぼくも小声で「ありがとうございました」とつぶやいてドアを開けて外に出ました。
外の世界のなんと開放的だったこと!肩の力が抜けるのを感じました。
そして外へ出てみたら、中で何を見たのかほとんど覚えていないことに気づきました。
記憶がない。。。
やれやれ、一体何をしにいったのやら。
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