今回の靴はこちら
サイズ 25.0
色 CAMEL
製法 マッケイ製法
価格 定価39,000円(税抜)
ブランド概略
日本のファッション・デザイナー、三原康裕氏(1972年生まれ)が1997年に立ち上げたシューズブランド。アパレルにも携わり、これまでミラノコレクションやパリコレクションに何度も出展した実績を持つ。
主観レビュー
サイズ感 ほぼ足の寸法通り
フィット感 ★
ほしい!感 ★★★
主観解説
サイズ感
25.0というとインチ表記では7(もしくは6.5)、ヨーロッパ表記では40です。この場合、足長25.5cmの私は6か6¹/₂、39くらいが適当です。7や40では大きすぎて履けません。
靴のサイズは、あくまで大きさを表す記号でしかないというのはよく言われることですが、この靴に関してはそんな従来の概念は当てはまらないようです。25cmの足には25cmの靴。実寸そのままとはいえませんが、それに近いサイズで大丈夫だと思います。
フィット感
と言いつつも、私もすんなり25.0に決めたわけではありません。24.5と25.0のどちらにするか逆上するほど悩みました。というのもこの直前に履いてみたストレートチップのモデルは24.5でピッタリだったからです。
なのでこちらのモデルも24.5から履いてみたのですが、木型が細いせいか若干キツイ。足入れをするときにまずそれを感じ、歩いてみて、やはり同じように感じるとともに、時折、足がビリッと痺れる感覚がありました。実は以前に――サイズはこれよりもさらに小さかったのですが――同じように痺れる靴を買って「大失敗」したことがあります。
かといって25.0じゃ大きいよなァと思いつつ、試しに履いてみたら「あれ?」案外これがイケルのです。足幅はちょうど、つま先の捨て寸もほどよい感じです。もちろん、足が痺れることもありません。
ただ唯一、かかとが浮くのが気になりました。カパカパは言い過ぎですが、けっこう浮きます。ウーム。
そこからが大変でした。24.5を履いて悩み、25.0を履いて悩みの繰り返し。
靴の常識的には24.5でしょう。かかとが浮くと歩く時に余分な力が入ってしまい足にもよくありません。それに私自身、これまで25.0の靴が合ったことなんてないのです。「やっぱり24.5だよナ」と思いました。
が、決めようとしたその瞬間に、またビリッと痺れがくるのです。指の後ろ、甲の真ん中あたりでしょうか。おそらく横からの締めつけによるものだと思われました。
やっぱりこれは無理だと思い、中敷きを入れることも視野に入れ、最終的に25.0に決めたのです。
ほしい!感
この靴の特徴はなんといってもそのデザインです。アッパーの上に薄いキップレザーをかぶせ、そこに熱を加えることで間の縫い目を浮き立たせる『炙り出し製法』。こんな靴、他に見たことありません。
人と違う靴が欲しい、色は茶系でできればオンオフともに使える靴がいいなァと思っていた私にはまさにぴったりの靴だったのです。
というわけで、読んでいただいた方はお気づきのことと思いますが、今回は「ほしい!」を飛びこえて「買って」しまいました笑。なので当然★3つです。今回はフィット感よりもデザインで選びました。
デニムもいけますよね。
主観雑感
公式ページには『靴ブランドとして始まった』と書かれていますが、今は純然たる靴ブランドではなく、数多くの洋服も手掛けています。ちなみに2016年AWのコレクション・テーマは『THE PORTRAITS』。つぎはぎがされていたり、端がほつれていたりする洋服を、『着る人のパーソナリティがあって成立する存在感のある服』として独自の感性で仕上げています。モデルが来ているとカッコイイですが、私のような冴えないオッサンが着たら、可哀想にあの人、服を買うお金もないのねと憐れみを受けるのは間違いありません。
それはさておき、まさか自分がこんな、といったら失礼ですが、デザイナーの靴を買おうとは夢にも思いませんでした。だって『紳士靴』といったら、グリーンであり、チャーチであり、オールデンであり(一つも持ってないけど)、そしてスコッチグレインであり、ペルフェットであり、リーガルでしょうから(こっちも持ってない)。もちろんそれ以外の靴メーカーもしかり。
それはきっと私だけでなく、世の靴好きのほとんどの人は同じ考えで、え、何?ファッションデザイナーの靴?てやんでぇ、そんなの買うのは靴を知らない人間のやることよ。デザイナーが靴を作るなんてお門違いも甚だしい。靴づくりを舐めてもらっちゃ困るね。餅は餅屋、靴は靴屋。靴だけを作っているからこそ信頼できるってもんよ。そこんとこ履きちがえてもらっちゃ困るんだよ、ニーチャン!…と鼻息も荒く語る人が多いと思います。分かります、その気持ち、よーく分かります。
でも…本当にそうなんでしょうか?老舗の靴メーカーの靴でなければいいものは作れないのでしょうか?新鋭の(といって差支えないと思いますが)シューズブランドではいい靴は作れないのでしょうか?
実を言うと、私も確かに迷いました。本当にこれを買っていいのだろうか。買って後悔しないだろうか。歴史や伝統に裏付けされていないという点はさほど気になりませんでしたが、それよりも、まわりで履いている人が少ない。ネットにもさほど出ていない。靴についての生の評価がよく分からないというのが最大の不安要素でした。
あと、実際に手にしてよく眺めてみるとどうも革の状態が気になるのです。
革を指で押さえたり、靴を屈曲させたときに出るシワの状態が、あまりいい革のそれに見えないのです。言葉はよくないですが、ちょっと紙っぽいシワというか。これはこのモデルに限ったことではなく、他のモデルでも同様でした。
ひょっとしたら乾燥していたせいかとも考え、家でクリームを塗ることにしました。
無色のクリームがないことを忘れていたので、たまたまあったデリケイトクリームを使用。
ちょんちょんとつけ、
拭き拭き。
せっかくだからブラシも。
で、磨き終わったのがこの写真。上が磨いたほうです。
少しは光っているでしょうか?(照明の当たり具合だけ?)
この革が履き続けていくことによってどうなっていくか、どう変化していくか、それがやや心配でもあり、興味深くもあります。それと足に合うかどうか。痛くならないかどうか。それについてはまたあらためてレビューしたいと思います。
[参考]
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